新型コロナの記録2020 ~模索の一年~ 上映会の見どころ
放送ライブラリーでは、2020年度に放送された新型コロナ関連のテレビ・ラジオ番組、CMを特集上映しています。(7月9日(日)まで)
◆今回の上映会企画にあたって
2020年1月、国内で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認され、同年4月全国に緊急事態宣言が出されました。あれから3年。5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけは5類へと移行しましたが、「2020年」は私たちの日常生活が一変した歴史に残る1年となりました。
緊急事態宣言による行動の自粛、日常的なマスク着用やソーシャルディスタンスなど、私たちを取り巻く環境の変化を、放送メディアはどのように記録し、伝えたのか。医療・市民生活・文化の観点からそれぞれ取材された番組を取り上げています。
今回は、上映番組の中から、担当Oよりオススメ番組をご紹介します。
◆74例目と呼ばれて ~“3密”を導き出したクラスター~(2020年4月25日放送・札幌テレビ)
2020年2月に北海道北見市で発生した「展示会クラスター」で新型コロナに感染した男性を取材したドキュメンタリー。症状、闘病生活、周囲からの偏見について、カメラの前で語っています。この集団感染を解明したことにより、新しい生活様式の柱にもなった「密接」「密集」「密閉」の3密の知見を得ました。
◆南海放送ラジオ報道特別番組 感染 ―正義とは何か― (2020年5月30日放送・南海放送)
2020年3月に愛媛県初の新型コロナ感染者が確認されて以降、県内で相次いだ「差別」や「誹謗中傷」について考えるラジオドキュメンタリー。感染者だけでなく、家族や職場など、感染者の周囲にも非難が向けられている様子が実際の人々の声を交えて語られています。
新型コロナによる医療崩壊や経済損失など社会システムへの打撃だけでなく、未曽有の出来事に直面した時の人間の姿も、考えなければならないテーマではないでしょうか。
両番組とも、誰もが新型コロナの「当事者になりうる可能性」を想像するきっかけとなる番組です。
また、今回はコロナ禍を象徴するCM作品も上映しています。この時代だからこその貴重な作品になっておりますので、あわせてご覧ください。
来場した方からは「コロナによって生活が一変したことを忘れてはならないと思った」、「コロナが当時の社会に大変な影響を及ぼしたことを思い出した。また、今後を考えるよい時間となった」などご感想をいただいております。自身の2020年を振り返りながら、ゆっくりと思いを馳せていただければ幸いです。是非ご来場ください。
<開催概要>
会 期:開催中~7月9日(日)、10:30~16:35
※月曜休館
会 場:放送ライブラリー(15席)
入 場:無料(入退場自由、事前申し込み不要)
主 催:(公財)放送番組センター
なお、7月8日(土)に開催する「公開セミナー 制作者に聞く! 新型コロナの記録 ~記者が見つめた2020~」では、「74例目と呼ばれて ~“3密”を導き出したクラスター~」のディレクター・村崎亜耶芽さんにご登壇いただきます。現在申込受付中(6月28日締切)ですので、ふるってご応募ください!